猫の結石についてブログを書いている最中に
私に尿管結石の再発が有り、話が横道に逸れてしまいました。
その後どうなったかと言うと…
現在進行形で、今も排石されないまま痛みに耐えています。
周りはすっかり私が苦しんでいる姿に慣れたようで、
腰を抑えてしゃがみこんでいても
お父さ~ん ご飯できたよ~
食べる~
.....
はじめに
獣医師やペットフード販売士、愛猫家等々…
多くの方が書かれた、猫の結石に関する情報がネットに溢れています。
さすがにこの領域、獣医師からのご意見が多いように思います。
それぞれの立場からかなり詳しく記載されており、
解剖・症状・治療・与える餌など、とても勉強になります。
今更何書くの~
家内の声が聞こえてきそうです…
猫の尿路結石
猫も尿路結石になりますが、圧倒的に男の子が多いそうです。
人間は、シュウ酸カルシウム結石やリン酸カルシウム結石などのカルシウム結石が90%以上を占めていますが、
猫はどうなんだろう…
こんなデータが有りました。
*「ネコペディア」猫の尿路結石のアウトラインより引用1981年の調査(日本ではないみたい)では、9割がストルバイト結石だったようですが、2007年ではシュウ酸カルシウム結石とほぼ同数の様です。
近年の日本国内の報告でもストルバイト40.6%、シュウ酸カルシウム42.8%、その他16.6%と、世界的な傾向と同様であることがわかりました。(Felis vol.4)
www.animalmedia.co.jp
ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム結石)は酸に弱く、療養食で比較的簡単に対応できます。
その治療(療養食)や、予防のための餌の配合などが、シュウ酸カルシウム結石の増えてきた原因ではないかとも言われています。
シュウ酸カルシウム結石は頑固です。
アルカリ性にしたからといって、そうそう簡単には溶けません。
出来てしまって症状が有るなら、治療法は手術しかないかもしれません。
天使と悪魔
尿がアルカリ性になるとストルバイト結石が増え、
酸性になるとシュウ酸カルシウム結石の可能性が高くなるんですね。
まさに、天使と悪魔!
結石生成には尿のPHだけでなく、
餌に含まれるミネラル成分(カルシウム、リン、マグネシウム)のバランスや飲水量が、大きな影響を与えるようです。
なかなか難しいですね。
通常、肉食が多いと尿は酸性、草食だとアルカリ性になります。
肉食動物の尿は酸性側で、猫だとpH5.5 ~7.0くらい、草食動物の尿はアルカリ性側で、ウサギだとpH7.6~8.8くらいだそうです。
結局どうなの
結石の生成機序はいろいろと言われていますが、
良くわかっていないようです。
体質、餌の内容、生活習慣、飲水量等々…
何かの原因でバランスが崩れ、
様々な要因が絡み合って出来てしまうようですね。
年齢とは関わりなく起こりやすい問題で、おしっこトラブルを起こしている猫の約半数が、1~3歳の若い時期に発症しているというデータもあるそうです。
おまけに、再発率も非常に高く、一度起こしてしまうと慢性化してしまうケースも多くみられるようです。
結石になり易い猫種?
我が家の晴明君はロシアンブルー
「純血種の猫は結石になり易いよ!」
こんな事を言われた記憶が有り、
チョット心配していました。
麻布大学附属病院の獣医師が書いた論文が掲載されていました。
www.jstage.jst.go.jp
病院を受診した2,161例中の尿路結石症例64例を対象とした論文です。
統計処理をして解析すると
① ヒマラヤン(4.447)
② アメリカンショートヘアー(3.726)
③ スコティッシュフォールド(2.293)
*純血種(3.661)>雑種(0.273)
( )内数値はオッズ比
ロシアンブルーのオッズ比は1.077でしたが、
症例数が少なく有意な結果は得られなかったようです。
オッズ比を説明すると長くなりますので、とりあえずリンクを貼っておきます。
興味がありましたら調べてみて下さい。
おそらくトップ3は変わらないのでしょうね。(個人的な感想です)
とにかく、純血種の方が雑種よりも可能性が高いのは間違いなさそうです。
気を付けねば…
痛みは有るのか?
人間の尿管結石は3大激痛(痛みが強い病気Top3)に挙げられることがありますが、猫では全く痛みを示さず、健康診断で偶然見つかることが多いです。
との報告が有ります。
一方、先ほどの先生が書かれた別の論文には
www.jstage.jst.go.jp
猫の尿管結石においても結石の尿管内での移動やそれに伴う尿管炎、水腎による腎種大等により痛みが引き起こされている可能性は高いと考えられる。
と書かれていました。
これからの研究結果が待たれます。
痛みを訴える事の出来ない猫たち、
出来るだけ飼い主が気を使ってやるしかないのでしょうね。
こんなに痛い思いを晴明にはさせたくないけど、
痛みが無く、サイレントで症状が進行するなら、もっと注意が必要ですね。
大切なのは、
1. 異変を感じたら速やかに病院へ連れて行く
2. 療養食の与え方は獣医師の指示に従う。
最近簡単に療養食が手に入りますが、
療養食を与え続けて、逆に結石が出来てしまう事があるそうです。
本来は病院でしか手に入らないものでなければいけない療養食。
くれぐれも自己判断で与えないように!
最後に
私の尿管結石は尿酸結石でおまけに高尿酸血症。
自慢ではありませんが、過去に痛風発作も経験しています。
どっちの方が痛いの?
良く聞かれますが、
痛風発作も尿管結石に負けず劣らず痛い!とか言えません。
どちらもプリン体の制限が必要



大好きなビールはプリン体0%の発泡酒!
大好きな鶏レバーとあん肝は厳禁!
大好きな蟹とエビは要注意!
お勧めは、ひじきやわかめなどの海藻類、
ほうれん草などの野菜、
干ししいたけなどのきのこ類。
オッと、生のほうれん草ジュースは注意です!
ほうれん草はシュウ酸が豊富で、
気を付けないとシュウ酸カルシウム結石が出来てしまいます。
やれやれ...
人間、質素が一番。
嫌いなものを食べていると、とりあえず健康でいられるようです。
でも、猫にはそんな事言えません。
与える餌は飼い主が注意して選んでやるしかないですよね。
晴明君、こんな飼い主みたいにならないように、若い今から気を付けようね。